光ファイバ/光コネクタの基礎
光ファイバの原理
光ファイバは光の伝搬路となるコアと呼ばれる部分と光をコア内に閉じ込めるためのクラッドと呼ばれる部分との2層構造となっています。
クラッドの屈折率よりもコアの屈折率の方がわずかに大きいのでコア内の光がクラッド境界面に入射する角度が臨界角より大きい場合には光は全反射を起こし、クラッドに漏れることなくコア内を伝搬することができます。
光ファイバの種類と特徴
石英系光ファイバの主なものは次の3種類です。
種 類 | 構造(屈折率分布) | 伝搬モードイメージ | 特徴・用途 |
---|---|---|---|
マルチモード ファイバ (MM) |
SMファイバに比べ接続が簡単でネットワーク機器も安価な為、LANなどに使用されている。 | ||
シングルモード ファイバ (SM) |
MMファイバに比べて、分散が小さく帯域が広い為、高速大容量の幹線やFTTHに使用されている。 | ||
分散シフト ファイバ (DSF) |
伝送損失が最少となる1.55μm帯で零分散になっている為、長距離伝送に使用されている。 |
光コネクタの種類
代表的な光コネクタは以下の通りです。大きく単心型、多心型に分類されます。
単心型 | 多心型 | |||||
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FC | SC | SC2 | MU | LC | MT | MPO |
フェルール研磨
フェルールの研磨方法は以下の通りです。フェルールの研磨面によって反射特性が異なります。
研磨面 | 反射減衰量 | 研磨方法とその特長 | 端面形状と接続状態 | 代表コネクタ | |
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直角 | フラット | コネクタによる | フェルール端面を長手方向に対して直角に平面研磨したもので、使用時には、フレネル反射を抑える為に端面に整合剤を塗布して接続します。 | MT | |
球面 | PC SPC AdPC UPC |
25dB以上 40dB以上 40dB以上 50dB以上 |
フェルール端面を緩やかに球面研磨して、PC接続を可能にしたものです。反射・接続損失が小さく、安定した接続ができ、特殊研磨を施すことで更に低反射が可能 となります。 |
SC, LC MU, FC |
|
斜め | PC | 55dB以上 | フェルール端面を長手方向に対して直角ではなく、少し斜め研磨し、更に特殊加工することにより PC(Physical. Contact)接続を可能にしたものです。 (整合剤は不要) |
MPO | |
斜め 球面 |
APC | 60dB以上 | フェルール端面を上記と同様に、斜め研磨したものでPC接続が可能です。きわめて反射が小さく、接続損失も小さく安定した接続が可能です。 | SC, FC |
光フィルタ(誘電体多層膜/ ファイバグレーティング)
光フィルタには、誘電体多層膜フィルタとファイバグレーティングがあります。
誘電体多層膜フィルタ:比較的広帯域用のフィルタとして利用されます。
ファイバグレーティング:比較的狭帯域用のフィルタとして利用されます。